復活した事務次官会議
2009年に政権交代が起きるまで、毎週月曜日と木曜日に、事務次官会議というものがあった。
事務次官とは各省庁の事務方トップであり、閣議(火曜日と金曜日)に提出する法案や方針を、事前に事務次官の間で確認していたのだ。
政治主導を旗印に登場した鳩山政権は、事務次官会議を廃止した。
事務次官会議廃止には賛否両論あるが、本書は、以下のように述べている。
「官僚は次第に指示待ちになっていきました(P191)」
与党時代の民主党(現・民進党)は、脱官僚をキャッチフレーズに登場したため、政治家と官僚のコミュニケーションが希薄になったと言われている。
2012年に自民党が政権を奪還し、事務次官会議は、次官連絡会議と名を変えて復活した。
事務次官会議は毎週月曜日と木曜日に開催されていたが、次官連絡会議は毎週金曜日に開かれている。
2009年の政権交代は大きな失敗に終わったが、今後政権を担う政党が登場すべきで、日本には定期的な政権交代が必要だと感じる。
本書は、日本の政治について非常によくまとめているが、一点気になることがあった。
「主張のあり方(P200)」部分で、以下のように述べている。
「2015年の安保法制論議の際には、学生たちの組織であるSEALDsなどがデモや集会を呼びかけます。これは大変画期的なことです(P201)」
デモや集会の自由は当然あるのだが、重要なことは選挙に行くことである。
安保法制論議のデモ参加者が、次回の選挙に行く比率を、ぜひ調査してもらいたい(そんなに高くないだろう)。
選挙に行かず、文句を言うのは変である。