会社辞めて良かった

15年間外資系金融機関で働き、現在はフリーのPMOです。

情報を共有しない組織

 

日清・日露戦争と帝国日本 (日本近代の歴史)

日清・日露戦争と帝国日本 (日本近代の歴史)

 

軍事援護組織という存在を、本書で初めて知った。

 

「膨大な国民負担を強いた日露戦争では、市町村における軍事援護組織の重要性が高まった。軍事援護組織とは、兵士や留守家族を支え銃後の体制を固めるために各市町村につくられた団体の呼称である(P117)」

 

日露戦争時、兵士や留守家族の支援は、まず隣近所や親戚が担い、その不足分を市町村が補い、それでも足らない場合に国費を充てるのが、当時の政府の基本方針だった。

 

日露戦争における政府の資金難を示すエピソードだが、防寒靴下・洗米などの必需品まで市町村の軍事援護組織から戦地に送られていたのだから驚きだ。

 

また、軍事援護組織から「通信」と呼ばれる大量の慰問状も戦地に送られていた。

 

戦況の推移、バルチック艦隊の動静や革命の展開などのロシア情報まで、通信で日本から戦地に送られていたのは興味深い。

 

前線で戦う兵士は戦況を知らされず、どのような状況か分からないまま、戦っていたことがうかがえる。

 

第二次大戦が終わってから数十年間、東南アジアで生活していた元日本兵がいた。

 

最前線で戦う人達に何も知らせないという文化は、日本軍が消滅するまで続いたわけだ。

 

企業経営でもそうだが、末端の従業員まで情報を共有することが重要である。

 

日清・日露戦争と帝国日本 (日本近代の歴史)

日清・日露戦争と帝国日本 (日本近代の歴史)