会社辞めて良かった

15年間外資系金融機関で働き、現在はフリーのPMOです。

国に頼るアメリカ

 

アメリカ大統領制の現在―権限の弱さをどう乗り越えるか (NHKブックス No.1241)

アメリカ大統領制の現在―権限の弱さをどう乗り越えるか (NHKブックス No.1241)

 

 アメリカには、首相がいない。

 

「議員内閣制ではないのだから、当然だろう」と思われるかもしれないが、大統領制の国で首相がいない方が珍しいのである。

 

ロシア、フランス、韓国などは大統領制だが、首相がいる。

 

アメリカは大統領制発祥の地だが、他国とは違う変わった政治制度を持つ国なのだ。

 

本書は、アメリカ大統領が、現実にどう対処しているか様々な視点から分析している。

 

「大統領の新しい役割(P64)」部分で、1932年の大統領選が、アメリカにとって、大きな転機になったと述べている。

 

民主党フランクリン・ルーズベルトが当選し、ニューディール政策が実行され、連邦政府の役割が激変した。

 

景気対策を中心とするマクロ経済政策を連邦政府、とりわけ大統領に期待する傾向がアメリカの有権者の常識になったのである。

 

それまでは、大統領に対して一時的な景気対策を期待する声は少なかったが、公的年金給付などのセイフティネット創設まで求められるようになる。

 

時代が進むにつれ、大統領への期待は更に高まり、次期大統領は一企業の工場移転にまで口出しするようになっている。

 

「国に頼らない」を伝統にしてきたアメリカだが、そうも言ってられない状況まで来ているということだろう。

 

アメリカ大統領制の現在―権限の弱さをどう乗り越えるか (NHKブックス No.1241)

アメリカ大統領制の現在―権限の弱さをどう乗り越えるか (NHKブックス No.1241)