会社辞めて良かった

15年間外資系金融機関で働き、現在はフリーのPMOです。

貧困=所得の欠如なのか?

 

ノーベル経済学賞 天才たちから専門家たちへ (講談社選書メチエ)

ノーベル経済学賞 天才たちから専門家たちへ (講談社選書メチエ)

 

本書は、ノーベル経済学賞受賞者を取り上げている。

 

ノーベル経済学賞は、縁遠いものだと思われがちだが、結構身近な問題がテーマになっていたりする。

 

1998年にノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センは、私の大学に講演に来たのでよく覚えている。

 

センは、「民主国家で飢餓はおこらない」と述べている。

 

民主国家で飢餓が発生しそうになると、政権交代のインセンティブが働くためである。

 

以前のエントリーで、私は、日本でハイパーインフレが起こる可能性は低いと述べたが、ベースはセンと同じで、その前に政権が維持できなくなるためだ。

 

本書で興味深いのは、「貧困=所得の欠如なのか(P150)」部分だ。

 

飢餓が起こる理由を、食糧不足と考える人が多いと思うが、センによると、実はそうではない。

 

飢餓が起こる本当の理由は、「人々が持っている権原(エンタイトルメント)の不足あるいは機能不全(P152)」だそうだ。

 

ここでいう「権原」が何かについては、本書を手に取って確認して頂きたい。

 

センに限らず、ゲーム理論など実用的な研究に対して、ノーベル経済学賞贈られているケースが多い。

 

少なくとも、物理や化学分野の受賞対象よりは分かりやすい。

 

ビジネスの場面で、交渉相手がゲーム理論を使ってくることなどは想定される。

 

それ以外にも、教養として役立つ内容が満載の一冊だ。

 

ノーベル経済学賞 天才たちから専門家たちへ (講談社選書メチエ)

ノーベル経済学賞 天才たちから専門家たちへ (講談社選書メチエ)