会社辞めて良かった

15年間外資系金融機関で働き、現在はフリーのPMOです。

ゴールは靖国と戦地

 

昭和十八年 幻の箱根駅伝: ゴールは靖国、そして戦地へ

昭和十八年 幻の箱根駅伝: ゴールは靖国、そして戦地へ

 

今や高校野球と並ぶ学生スポーツの主役となった箱根駅伝

 

正月のビックイベントになった箱根駅伝だが、全国大会ではなく、関東の地方大会である。

 

地方大会でありながら、これだけの注目を集めるようになったのは、マーケティングの成功だろう。

 

本書は、幻と言われる1943年(昭和18年)の箱根駅伝を取り上げている。

 

当時の正式名称は箱根駅伝ではなく、「関東学徒鍛錬継走大会」だった。

 

1943年1月5日、参加校11校は靖国神社を参拝した後、スタート地点である大鳥居を出発した。

 

2年ぶりに行われた箱根駅伝の始まりを人目見ようと、靖国神社には大勢の人が集まったらしい。

 

現在の箱根駅伝では、ほとんど姿を見ない慶應大学が往路を制したが、復路で日本大学が逆転し、靖国神社のゴールテープを切った。

 

面白いのは、踏切に捕まって差が縮まったり、広がったりする場面だ。

 

1943年の箱根駅伝後、日本の戦況は後退続きだった。

 

当時の東條内閣は、文系学生の徴兵猶予を取り消し、1943年の箱根駅伝を走った選手達も戦地に赴くことになる。

 

詳細は本書を手にとって頂きたいが、戦争に翻弄された若者達の青春を表現するのは容易ではない。

 

本書を読むと、正月の大手町をスタートする箱根駅伝を見る目が変わるだろう。

 

昭和十八年 幻の箱根駅伝: ゴールは靖国、そして戦地へ

昭和十八年 幻の箱根駅伝: ゴールは靖国、そして戦地へ