仮想通貨評論家コインマンブログ

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疲れたら農本主義?

 

農本主義のすすめ (ちくま新書 1213)

農本主義のすすめ (ちくま新書 1213)

 

 本日の衆議院本会議で、環太平洋連携協定(TPP)承認案が可決された。

 

ただ、米国の次期大統領のトランプ氏がTPP反対を明言しており、発効の可能性は極めて低くなった。

 

本日紹介する「農本主義のすすめ (ちくま新書 1213)」は、「農は資本主義とは相いれない」と唱える宇根豊氏による著書である。

 

本書は2016年10月に出版され、トランプ大統領誕生により、TPP発効が困難になることを予言していたかのようである。

 

農本主義は、第二次世界大戦前の日本において、立国の基礎を農業におくことを主張した思想・運動のことである。

 

代表的な農本主義者として、西郷隆盛があげられるが、昨今、農本主義が語られることは少ない。

 

社会が行き詰まり、自然が壊れかかっているいま、あらためて農を見つめ直し、その豊かな可能性を探ろうとしているのが本書である。

 

農業の株式会社化、農業の輸出競争力強化、など勇ましい文句がメディアをにぎわせているなか、農本主義をわかりやすく解き明かしている。

 

本書は、アダム・スミスの「国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)」から、「 農民が戦争に行く場合には、労働をしなくても残った仕事の大部分は自然が行ってくれる(P97)」という部分を引用している。

 

宇根氏はいう。

 

「農が資本主義に合わない理由は、資本主義は天地自然の力をタダどりして恥じないからです(P97)。」

 

「資本主義が終わっても心配することはない(P121)。」

 

資本主義の象徴である金融機関に勤めていた私としては、中々理解しがたい記述もあった。

 

しかしながら、農本主義というこれまで全く触れることのなかった概念を知れたことは有意義だった。

 

厳しい資本主義の世界で戦う皆様も、競争に疲れた時に読むと良さそうな一冊である。

 

農本主義のすすめ (ちくま新書 1213)

農本主義のすすめ (ちくま新書 1213)