会社辞めて良かった

15年間外資系金融機関で働き、現在はフリーのPMOです。

分からなければ言おう

虚構 堀江と私とライブドア

11月5日のエントリー「ハラスメントという拷問」で取り上げた電通の若手元社員の自殺をきっかけとして、電通強制捜査が入った。

 

強制捜査になると、会社の机の中等を、相手の同意なしに担当官が自分で開けることができる。

 

私がいた金融機関に入る捜査と言えば、金融庁検査(ドラマ半沢直樹でやっていたあれである)だが、これは強制捜査ではなく、任意捜査である。

 

金融庁検査で担当官が資料を見たい場合、「これを出して下さい」と相手に依頼する必要があり、机を同意なしで勝手に開けることはできない。

 

強制捜査ではないからだ。

 

ちなみに、アメリカの証券取引委員会(SEC)は、強制捜査権と逮捕権を持っている。

 

強制捜査、任意捜査どちらにしても、人間は当局と退治すると緊張し、自分にとって都合の良いことをいいがちだ。

 

今回紹介する「虚構 堀江と私とライブドア」は、ライブドアの元CFOだった宮内亮治氏によるライブドア事件の回顧録である。

 

宮内氏は2006年1月、証券取引法違反容疑で逮捕され、懲役1年2か月の実刑を受けた。

 

ライブドア事件は、2004年9月期決算における利益捜査を粉飾として、東京地検特捜部が立件したものだ。

 

詳細は「堀江激怒の当初予算(P34)」などに記載されているが、財務・会計の面で参考になる内容が記載されている。

 

本書で宮内氏は、自身のミスを認めながらも、ライブドア元社長だった堀江貴文氏の責任を追及している。

 

一方の堀江氏は、著作我が闘争」等で、宮内氏の横領等が事件の背景にあると唱えており、結局誰が悪かったのかが明らかになっていない。

 

ライブドア事件強制捜査だったが、任意捜査でも、人は立場が危うくなると、誰かの責任にして、自分だけ逃げ惑おうとするものだ。

 

皆様の中で将来、強制捜査を受ける方は少ないだろうが、任意捜査(金融庁検査や労働基準監督署の査察等)を受ける可能性は十分にある。

 

強制捜査の勉強として、本書は大変参考になるが、任意捜査への対策方法はあるのだろうか。

 

私は、任意捜査(金融庁検査)経験者として、皆様に「分からないことは分からないと言う」ことをおすすめする。

 

最悪なのは、記憶が曖昧なことを担当官に話し、後から間違いが発覚することだ。

 

分からない場合、「確認して後程報告します」と述べることは問題ないため、任意捜査を受けた場合に思い出して頂ければ幸いである。

 

虚構 堀江と私とライブドア

虚構 堀江と私とライブドア