会社辞めて良かった

15年間外資系金融機関で働き、現在はフリーのPMOです。

同窓会であって同窓会でない

 

慶應三田会の人脈と実力 (宝島社新書)

慶應三田会の人脈と実力 (宝島社新書)

 

慶應義塾大学の同窓会である三田会の結束力は有名であり、「同窓会であって同窓会でない(P3)」ほどの組織であり、寄付金があまり集まらない日本の大学において稀有な存在になっている。

 

私がフランスの大学院に留学していた際、あるフランス人教授が「寄付金の集め方は慶應に学ぶべきところが多い」と述べていたくらいである。

 

上場企業の10社に1社は慶應出身の社長で占められていると言われ、経済界で圧倒的な存在になっているが、「明治14年の政変」が起こるまでは政界でも慶應出身者は活躍していたと考えられている。

 

組織の結束を高める方法の一つとして、中の人間にしか分からない言葉を使うというものがある。

 

学生を塾生、卒業生を塾員、教授を君付けで呼ぶことなど、慶應特有の用語がたくさんあり、これも結束を強めている要因であろう。

 

慶應三田キャンパスの近くにある「ラーメン二郎」にも触れるなど、人間味ある内容もあり中々興味深い資料である。

 

ビジネス界で活躍されている方に、おすすめの一冊だ。

 

慶應三田会の人脈と実力 (宝島社新書)

慶應三田会の人脈と実力 (宝島社新書)

 

 

アメリカの底力

 

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)

 

本書は、民間金融機関から大学教授に転じた著名なエコノミストによる21世紀の経済に関する資料である。

 

「もはやアメリカ自身がグローバリゼーションの中心を担えなくなっています(P126)」と著者は述べているが、最近のアメリカの金融機関の利益額を見ると、まだまだ底力を感じるのは私だけだろうか。

 

私自身がアメリカの金融機関に長く身を置いていたこともあるが、あの国の楽観主義と何が起ころうと不死鳥のように蘇ってくるパワーには度々驚かされたものである。

 

アメリカは毎年人口が1パーセントずつ増えている先進国の中では稀な社会で、新生児の増加に加えて、移民の流入により、新しい財やサービスが次々と生まれるところに競争力の源泉があるのだろう。

 

本書は「資本主義の終焉」を唱えているが、資本主義の象徴である金融機関にいた私とはかなり違う意見である。

 

色々な意見が存在することを確認する上で一読の価値があり、皆様も目を通してみてはいかがだろうか。

 

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)

 

 

ビットコイン分裂

 

「運か、偶然か、インサイダー」

 

これは、ニューヨークで私が証券外務員のトレーニングを受けた際、投資で成功する要因について講師が言ったセリフである。

 

ビットコインの分裂騒動が起こっているが、仮想通貨は元々決済目的で開発されており、値上がり期待で買うと、今回のような予想外の動きに直面する可能性がある。

 

値上がり期待で買う場合は、「運か、偶然か、インサイダー」で儲かる可能性はあるが、動きに一喜一憂したり、値を見続ける時間などを考えると割に合わなさそうだ。

 

手数料の安さと決済時間の短さが売りだった仮想通貨だが、取引の増大により手数料が上がりだし、決済時間が1時間以上かかるなど、普通の銀行決済に近づきつつある。

 

それでも仮想通貨に投資したい人は、本書で勉強すると良いだろう。

 

Kindle 版が、読みやすい。

 

 

バンカーと銀行員

 

新装版 名銀行家列伝―社会を支えた?公器?の系譜

新装版 名銀行家列伝―社会を支えた?公器?の系譜

 

本書では、銀行家をバンカーと呼び、誇り高き存在であった伝説的なバンカーを7人紹介している。

 

日本興業銀行の中山素平氏住友銀行の磯田一郎氏など、良い意味でも悪い意味でも社会に大きな影響力を及ぼしたバンカーの仕事について記述している。

 

第二次大戦後、GHQによって日本興業銀行が解体させられそうになった際、中山氏は「今から50年後には、直接金融で日本の経済が回るようになるかもしれないが、それまで我々が必要だ」と述べ、GHQに存続を認めさせたとされる。

 

幸か不幸かその50年後、バブル崩壊後の不良債権問題がきっかけで、日本興業銀行は合併で消滅することになる。

 

中山氏でも、さすがにここまでは読めなかっただろうが、50年後になくなったのは事実である。

 

金融業界を志望している人におすすめの一冊だ。

 

新装版 名銀行家列伝―社会を支えた?公器?の系譜

新装版 名銀行家列伝―社会を支えた?公器?の系譜

 

 

人生の約束

 

人生の約束 (豪華版)(本編Blu-ray+特典DVD)

人生の約束 (豪華版)(本編Blu-ray+特典DVD)

 

本作は、IT企業経営者が社会的に大成功をおさめながらも、人生に悩み、地方の祭りを通じて生きる意味を見出す作品である。

 

アメリカの映画「エリザベスタウン [DVD]」でも、シューズ・メーカーの開発担当者が仕事に失敗し、他界した父の故郷で自分の存在意義について考え直すことが取り上げられており、今回紹介する映画に近いものが感じられる。

 

本作では美保純が登場するが、相変わらず飲食店の経営者として出演している。

 

竹野内豊江口洋介の演技も素晴らしいが、美保純の渋い役柄も光る作品である。

 

人生と猛暑に疲れている人は、本作を観て今後の生活を考え直してはいかがだろうか。

 

人生の約束 (豪華版)(本編Blu-ray+特典DVD)

人生の約束 (豪華版)(本編Blu-ray+特典DVD)

 

 

ややこしい法体系

 

FinTechの法律 2017-2018

FinTechの法律 2017-2018

 

FinTechが騒がれているが、この分野において日本はアメリカから2周以上遅れていると言われている。

 

その理由の1つが、ややこしい法体系であり、複数の法律が絡み合っていることで、イノベーションを阻害している状態だ。

 

最近流行っているソーシャル・レンディングでは、借り手に貸金業法、貸し手に金融商品取引法が適用されているため、事務処理を複雑にし、管理コストを引き上げていると言われている。

 

行政の縦割りが背景にあるのだが、法律には従う必要があるため、FinTech関連のビジネスをしている人は、本書を熟読して打開策を考えてみてはいかがだろう。

 

Kindle 版が、読みやすい。

 

FinTechの法律 2017-2018

FinTechの法律 2017-2018

 

 

NPOは認知の役割を持つ

 

はじめてのNPO論 -- 一緒に役割を考えよう (有斐閣ストゥディア)

はじめてのNPO論 -- 一緒に役割を考えよう (有斐閣ストゥディア)

 

大学生の時、授業で「NPOの役割は、社会問題や課題を広く認知させることにある」と聞いて、妙に納得した覚えがある。

 

アメリカに比べるとNPOの規模が小さいと言われる日本だが、いくつかのNPOは社会に大きな影響力を与えるようになっている。

 

日本の場合、小さめのNPOはボランティアに頼った組織運営を行っていることが多く、本書は、実際にNPOを立ち上げて、どう管理し、運営するかについても詳しく解説している。

 

実際のNPOに関する記述も豊富で、これからNPOを立ち上げたい人、NPOで働きたい人におすすめの一冊だ。

 

はじめてのNPO論 -- 一緒に役割を考えよう (有斐閣ストゥディア)

はじめてのNPO論 -- 一緒に役割を考えよう (有斐閣ストゥディア)